刊行物

じっくり読めてしっかり身につく 精神科薬物療法ガイド改訂版
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  本書は初版「パパッと読めてちゃんと身につく精神科薬物療法ガイド」の改訂版です。初版の上梓から約4年が経過して、この間に新たな向精神薬が登場し、さらには精神科薬物療法を医師と薬剤師の協働で行うことが強く求められるようになってきました。このような社会情勢の変化に対応するため、初版の進化形である本書が出版されました。

 第Ⅰ章は「もう一度おさらい! 精神科で使う薬の基礎知識」として、精神科薬物療法の基本的な考え方、向精神薬の特徴と使い方、等価換算の活用法とピットフォール、アセスメントツールの活用法、減量・減薬の提案と実践について、要点が整理されています。

 第Ⅱ章「ガイドラインに基づく外来での精神科薬物療法」では、各種ガイドラインの策定に関わった精神科医が薬物療法のポイントを疾患ごとに解説しています。また、特殊な背景を有する患者(小児、妊婦・授乳婦、高齢者)の精神科薬物療法についても着眼点が示されています。

 第Ⅲ章「センパイに学ぶ! 薬剤師の介入・フォローアップ事例」では、薬局や病院で遭遇することの多い、しかも悩ましい事例が収載されており、大変参考になります。

 第Ⅳ章「精神科の薬学的管理クリニカルクエスチョン」では、患者から質問されることの多い事柄について解説しています。

 精神科の薬物療法や患者への対応に苦手意識を持っている薬剤師が多いようですが、本書を読めば、疾患と患者背景に応じた適切な薬学的管理ができるようになると思われます。また、精神疾患の治療は入院から外来にシフトしており、薬局薬剤師も精神科薬物療法を理解しておく必要があります。このため、本書は薬局薬剤師にもお勧めしたい書籍です。

福岡大学薬学部教授/福岡大学病院薬剤部長
神村 英利


 

編 著:吉尾 隆/監
    三輪 高市/編集代表
    日本精神薬学会/編
判 型:B5判
発行日:2021年1月
ページ:224頁
定 価:¥3,740(税込)