学会設立のご挨拶

 現在、精神科医療の現場において薬剤師の果たす役割は益々重要となってきています。精神科病床における薬剤管理指導業務、病棟薬剤業務は、多くの施設においてルーチン業務として行われ、精神科医療チームからも認知されています。また、精神科医療の流れは、入院治療から外来治療を中心としたものに変化しており、退院時や外来における薬物治療の適正化も重要となってきており、病院薬剤師と薬局薬剤師の連携が大変重要となってきています。
 さらに近年、向精神薬開発の進展は目覚ましく、臨床現場の薬剤師が基礎研究に関する知識を向上させることが求められる反面、薬学領域の基礎研究者が臨床における薬物治療の知識を向上させることも、より良い精神科薬物治療には欠かせません。したがって、今後は精神薬学領域の臨床と研究を基盤とした病院薬剤師、薬局薬剤師及び研究者の養成が必要となります。
 このような状況の中、本会は、精神科領域の薬物治療及び向精神薬開発の進展を鑑み、臨床現場の薬剤師と基礎研究に従事する薬剤師の協働により、精神領域における薬剤師の専門性を向上させ、精神科における薬物治療の適正化をはじめとした、精神薬学の進歩発展を図ることを目的として設立致しました。
 薬剤師が精神科薬物療法の主体的な治療者として国民の健康を守ることを使命とし、精神科医療において機能していくために、精神科臨床及び研究に携わる病院薬剤師、薬局薬剤師、薬学研究者のみならず、全ての関係職種の方々にもご参加いただき、精神科医療の発展のために切磋琢磨する場として発展させていきたいと考えております。
多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

一般社団法人 日本精神薬学会 理事長
東邦大学薬学部医療薬学教育センター
臨床薬学研究室 吉尾 隆